SJ指導者

国内外で働く、あるいは働こうとする外国人が増える中で、この分野の日本語教育・研修に 携わる専門家が必要とされています。このような専門家を、「就労者に対する日本語教育指導者(略称:SJ指導者)」と呼びます。SJ指導者には、日本語教育だけでなく、企業活動とコミュニケーション教育に関する幅広い分野の知識や経験、そして、異なる立場の人々と信頼関係を築き、協働して教育実践や研修が実施できる力が求められます。そこで、SJ指導者に求められる力を可視化するために、SJ指導者Can-do statementsを開発しました。


★SJ指導者とは?

 SJ指導者は、個別の教育・研修を一つのプロジェクトとするならば、プロジェクト・リーダー(指導者)に該当します。日本語教師だけでなく、企業人もSJ指導者になり得ると考えます。例えば、「自分の専門は日本語教育だから企業のことはわからない」、「自分は企業人で、語学教育のことは素人なので専門家にお任せしたい」といった考え方をするのではなく、自分の専門性を活かし、ほかの部分は協働によりプロジェクトの目標を達成できるように導く、それがSJ指導者です。

 柱となるものは次の二つです。


①多様な人々が共に働く職場のコミュニケーションの円滑化をはかるため、コミュ二ケーション教育としての日本語教育プログラムを立案、実施、運営できる人材です。(このコミュニケーション教育とは、単に口頭表現能力を指しているのではありません。職場で日本語を用いて題を遂行したり、問題があれば解決したり、人間関係を構築したりしていくためのものです。)

②学習者、就職支援関係者、企業関係者ら、それぞれが置かれた状況を把握し、必要に応じて協働しなが ら、個別の現場に最適な教育・研修を提供できる人材です。