4.異文化


SJ(就労者に対する日本語教育)の現場には、外国人に限らず多様な文化背景をもつ人々がいます。
異文化間で生じる問題を理解し、対応する力があるか、確認してください。

SJ指導者Can-do statementsでは「理解できる」「把握している」「できる」は次のような意味で使っています。

《理解できる》
  その項目に関する新規の情報を読んで概要を理解できる程度の知識がある

《把握している》
  SJ指導者としての活動を計画、実施する上で前提となる知識がある

《できる》
  SJ指導者として十全にできる

16.職場における異文化間問題が理解できる

□ 16.1 人が属する文化を客観的に捉えることができる
□ 16.2 どのような問題が生じるか想定できる
□ 16.3 文化を相対的、多面的に捉えることができる
□ 16.4 文化の異なりを尊重した態度をとることができる

職場には多様な「異文化」が存在します。コミュニケーション上のトラブル対応や職務の進め方に際しては、多様な視点から捉え、学習者やコース関係者と相互尊重の態度が大切です。これは日本語教育・研修を立案、実行する際も同様です。気づかずにステレオタイプで考えていないか、学習者に押し付けていないか、注意深く対応できる態度を身につけましょう。

17.職場における異文化間問題への解決策を検討できる

□ 17.1 異文化間の問題解決につながるような事例や情報を集めることができる
□ 17.2 学習者のかかわる業種の企業文化の違いに適応できるように指導できる
□ 17.3 学習者の職場環境の中で起こりうる問題を具体的に想定し、学習者自身が解決策を見出せるような問いかけができる

異文化間問題が生じる原因は現場ごとに多くの可能性があります。異文化によるトラブルを避けるためのマニュアル本も出版されていますが、現場はマニュアル通りにはいかないものです。学習者が自分で情報を収集し、問題を発見し、解決できるよう指導しましょう。