チェック教材
各項目が備わっているかどうか確認するための課題です。また、課題をこなすことで実際に必要な力を身につけていくことができます。
7.コース運営
コースデザインなどの計画ができたら、次はコースの実施です。コースを運営し、それを評価、改善する能力があるか確認しましょう。
28.コース実施中の運営管理ができる
課題1 考えてみましょう。
コース運営に関わる関係者にはどんな人がいるでしょうか。人物の関係を図式化してみましょう。 。
学び方のポイント
依頼主の企業側には、研修対象となる学習者はもちろん、窓口となる人事、配属先、メンターなどの人達がいるかもしれません。授業を担当する側の講師陣も当然含まれます。また、別の立場で運営管理に関わる人達がいる場合もあります。コースを運営管理するためには、コースに関わる人達の全体図を常時、頭に入れておく必要があります。チームで動いていることを意識しましょう。
課題2 考えてみましょう。
課題1で作った全体図を見て、日本語研修の成果や課題を報告する相手は、どんな情報が必要になるでしょうか。そのために、授業を担当する講師陣からどんな情報を集めればいいと思いますか。
学び方のポイント
コース実施中の運営管理において、必要な情報を講師陣から聞き取ることは重要です。課題の発見やカリキュラムの調整の必要性を早期に判断し、研修途中であっても改善が必要になることもあります。SJ指導者はそのために必要な情報を見極め、授業を担当する講師陣に報告してもらえるシステム作りが大切です。
29 日本語研修の評価ができる
課題1 考えてみましょう。
コースの運営管理において、企業からも評価を受ける必要があります。評価者は研修を受けた学習者とその研修を依頼した企業です。どんな項目について評価を受ければいいと思いますか。話し合ってみましょう。
学び方のポイント
SJ指導者自身がコース(研修)運営に対する自己評価をしてみることも重要です。その上で共に研修を作り上げた講師陣に意見を求め、次のコース運営や管理に役立てていくようにしましょう。講師陣からの評価観点も複数あります。例えば、SJ指導者の指示が十分に伝わっていたでしょうか。コミュニケーションは十分にとれていたでしょうか。
課題2 話し合ってみましょう。
日本語研修が終了したら、研修の評価を受けます。評価する人は研修を受けた学習者とその研修を依頼した企業です。どんな項目で評価をしてもらえばいいでしょうか。話し合ってみましょう。
学び方のポイント
企業や学習者側の満足度だけではなく、職場で周囲の人とのコミュニケーション力が向上したか、態度や行動、意識に変化があったか等を聞きだす工夫をしてみましょう。
30 現状に臨機応変に対応できる
課題1 考えてみましょう。
企業の依頼は様々な要因でその条件が変わることがあります。研修開始前に日本語のレベルチェックをして5つのレベル別クラスを用意する予定で進めていましたが、先方の都合で「クラス数を3つにしてほしい」と言われたとします。そのような場合、何を検討し、どのような対処が必要だと思いますか。
学び方のポイント
企業側から出されていた研修に関する当初の情報が、なんらかの都合で途中で変更されることがあります。その場合何をどう調整するかは、研修目標の達成が鍵になります。一人一人の成果にできるだけ影響の少ない変更を探りましょう。条件によってできることを予測して、メリットデメリットを企業に明確に伝えることも大切です。
課題2 考えてみましょう。
課題1のような事例のほかに、どんなことが起こり得るでしょうか。その時、SJ指導者は誰に対してどのように対応をすることが求められると思いますか。
学び方のポイント
研修期間、予算、研修を受ける人数等、当初の予定と変わることがあります。
31 日本語研修事業の改善ができる
課題1 考えてみましょう。
評価が出たら、改善すべき点を検討します。どんな改善点が出てくると思いますか。
学び方のポイント
研修の達成目標に到達したかどうか。そこが改善の必要があるかどうかを検討する最も重要なポイントです。その他にも授業の方法や学習者による評価、研修に関するSJ指導者からの講師陣への指示の仕方、企業側が設定した研修期間や時間など、多方面から改善の可能性を探りましょう。PDCAに深く関わってくる企業もあれば、そうでない企業もあることを知っておく必要があります。
課題2 話し合ってみましょう。
コースの改善を行うために、学習者や企業、担当した講師からの評価や報告と学習成果、教師自身の自己評価の分析から客観的にコースを見ることが必要です。
学び方のポイント
SJ指導者は日本語に関する成果だけでなく、学習者の職場での態度や行動・意識の変化といった要素も集めておく必要があります。お願いする際は目的を明確に伝え、許可をとって行いましょう。PDCAに深く関わってくる企業もあれば、そうでない企業もあることは知っておく必要があります。
32 日本語研修の報告が書ける
課題1 話し合ってみましょう。
あなたが企業の人事として日本語研修を発注するとしたら、どんなタイミングや頻度で研修の成果を把握したいと思いますか。その理由は何でしょうか。以下の例について考え話し合ってみましょう。
①CEFRのA2をB1にする半年間の研修
②CEFRのB2の1ヶ月の研修
学び方のポイント
研修の成果は修了時はもちろん、途中でも必要に応じて企業側と共有することがあります。企業にとっては研修の進捗を把握することができ、SJ指導者側は成果や課題を共有することができるからです。研修が開始する前にそのタイミング、頻度、方法等を企業側と話し合って決めておくことが必要です。
課題2 話し合ってみましょう。
研修後には企業へ報告をします。業務上のコミュニケションのために報告書には、どんな内容が含まれていると、学習者と企業にとっていいでしょうか。話し合ってみましょう。
研修の経験があれば、報告書のフォーマットをつくってみましょう。
学び方のポイント
課題1で考えたように、企業の立場から報告書にどのような項目があれば良いか考えてみましょう。報告書では、主観的な表現をしないことや長すぎないことも大事です。専門的な用語や日本語教育で当たり前の知識が前提になった説明がないかどうかもチェックしてください。学習者の職場でのコミュニケーションをイメージして、学習者と接する日本人(上司・同僚他)のどんな協力があれば、学習成果がより確実に現場で達成されるかを明記しておくのも良いでしょう。
課題3 話し合ってみましょう。
すべての学習者が研修目標達成できるとは限りません。また達成したとしても、日本語を継続して学んでいく必要があるでしょう。研修修了後に学習者が学習を継続するようにするために、どのような助言ができるか、話し合ってみましょう。
学び方のポイント
研修が修了し現場に配属されると、日本語を学ぶ機会は自分で作らなければなりません。学習者自身が日本語力を管理し上達させることができることが重要です。研修中にどんなことができていて、どんなことができていなかったか、今後の課題等を報告書に入れましょう。SJ指導者は学習者の現場でのコミュニケーションをイメージし、研修後も自律的に学んでいくための助言も書いておききましょう。
33「指導者コミュニティ」に参加・運営できる
* 「指導者コミュニティ」というのは、研修を担当する講師陣やSJ指導者の業務や専門性に関わるコミュニティを指します。
課題1 考えてみましょう。
「指導者コミュニティ」とは、どういう集まりを指すと思いますか。
学び方のポイント
研修の考え方や進め方に迷いや課題があった時に研修を担当する講師陣やSJ指導者の業務や専門性に関わるコミュニティがあると、相談したり刺激を受けたりすることができます。
**BPCが提案する「SJ指導者コミュニティ」に参加したい方はご連絡ください。
URL
課題2 考えてみましょう。
研修目標の達成をするための「よいチーム」を作るために、SJ指導者として気をつけることや配慮すべきことはなんだと考えますか。
学び方のポイント
SJ指導者のコース運営管理には、研修担当講師のチームの運営に注意を払いながら進めていきましょう。チームメンバーをどうしたらうまくまとめられるか。その方法を常に探り続ける姿勢が大事です。