7.コース運営


SJ(就労者のための日本語教育)では、企業や自治体からの委託などで、個別のプロジェクトとして実施されることが多いです。そのため、実施体制も新しく作り、プロジェクトに関わるメンバーで円滑に実施していけるようにする運営、管理力も求められます。

SJ指導者Can-do statementsでは「理解できる」「把握している」「できる」は次のような意味で使っています。

《理解できる》
  その項目に関する新規の情報を読んで概要を理解できる程度の知識がある

《把握している》
  SJ指導者としての活動を計画、実施する上で前提となる知識がある

《できる》
  SJ指導者として十全にできる

28.コース実施中の運営管理ができる

□ 28.1 学習者の出席・欠席の管理ができる
□ 28.2 チームティーチングの場合、情報共有の方法(授業連絡の方法等)を示し、その実施状況(教師の仕事)の管理ができる
□ 28.3 コースの進行状況(学習者の学び状況)を把握できる

SJでは、受講する学習者の立場は様々です。就職活動をする学習者は社会人として様々な事情を抱えています。企業研修では、日本語研修は職務の一部として実施されます。それぞれを踏まえたクラス運営が求められます。

29.日本語研修の評価ができる

□ 29.1 日本語研修の内容や運営が適切であったか、学習者や企業の担当者等に評価をしてもらうことができる
□ 29.2 コース実施者(教師・コース管理者)として自己評価、相互評価等をすることができる
□ 29.3 評価の結果を適切に判断できる(評価の対象、基準を選べる)

研修の内容や進め方が適切であったか、関係者、実施者による評価が必要です。状況に合わせて適切な方法がとれるようにしておきましょう。

30.現状に臨機応変に対応できる

□ 30.1 企業、学習者の現状に基づく多様なニーズに合わせて、コースデザインできる
□ 30.2 研修に必要な人員を集め、研修体制を整えることができる
□ 30.3 研修にかかる費用を算出することができる(何に経費がかかるか)
□ 30.4 予期せぬ事態に対応し、コースを変更、調整することができる。


企業研修の目的は、企業活動の内部環境・外部環境から様々な影響を受けます。それらに応じて、体制作りをし、コストを算出できる必要があります。

31.日本語研修事業の評価・改善ができる

□ 31.1 関係者(学習者、担当教師、企業側等)の評価や報告、学習成果を分析し、客観的に研修事業を評価することができる
□ 31.2 評価結果をもとに、改善の計画を立てることができる
□ 31.3 改善計画について、関係者と情報共有することができる


32.日本語研修の報告が書ける

□ 32.1 適切な構成で報告が書ける
□ 32.2 適切な頻度、タイミングで報告が書ける
□ 32.3 学習者個別の学習状況、課題、到達度を記述できる
□ 32.4 日本語研修終了時の課題と現場での対応策を提案できる

企業研修では、企業から研修の実施報告書の提出を求められます。適切な構成、頻度、タイミングを把握している必要があります。また、学習者の学習状況や課題、到達度について、客観的な情報、主観的なコメントを区別して、書く力が求められます。また、語学教育・コミュニケーション教育の専門家ではない企業関係者にわかるような書き方の工夫も求められます。

33.「指導者コミュニティ」に参加・運営ができる


□ 33.1 コースの実施や運営に関わるほかの指導者、教師とよい関係を作ることができる
□ 33.2 ほかの教育経験、ビリーフを理解することができる エンパシー
□ 33.3 コースの目的、内容、実施方法を明確に説明し、共有することができる
□ 33.4 担当者同士がよい関係で仕事ができるように工夫することができる
□ 33.5 必要な研修を企画、実施し、SJ分野の人材を育成することができる

SJの教育・研修は、決まった教科書に沿って行われることはほとんどなく、コース毎に現場のニーズに合わせてコースデザインを行います。したがって担当する教師の目的や方法を理解してもらう必要があります。そのための意思疎通を工夫したり、育成をする力が求められます。